教育

家庭でできる幼児教育 「まちがい探し絵本」で育てる「違いを見分ける基礎能力」

幼児カードゲーム

こんにちは、夫婦ブロガーのペギー@元塾講師です。

私は10年以上、塾の講師として働いていました。中学生から小学校高学年を中心に指導していたら、ひょんなことで小学校低学年から幼児の指導まで経験する機会に恵まれました。

そんな塾講師としての経験から知ったこと。それは、

子どもの可能性は無限大!!

幼児期の関わり方によって子どもをぐんぐん成長させることができることを知りました。

幼児教育はたのしい!!

子どもの成長に必要なことを少しずつご紹介したいと思います。

学校の勉強でつまづく子どものあるある話

小学校の低学年くらいまではそれほど気にならなかった学校での成績。

小学校高学年や中学生になり、勉強につまづく子どもを目の当たりにすると、ついついこんなふうに思ってしまうことはありませんか?

「どうしてこの子はこんな間違いにすぐに気づけないのだろうか?」「学校の授業をちゃんと聞いていないのではないだろうか?」

 

そして、ついついこんなことを子どもに言ってしまうことはありませんか?

「ここが違うでしょ!どうして分からないの?!」「先生の話をちゃんと聞いてきなさい」

 

こんなことを言われた子どもが、「よし!次からは間違わないように気をつけるぞ!」と思ったり、「先生の話をしっかり聞こう!」と思うでしょうか。

思わないでしょう。

 

子どもの本音はこんな感じです。

「どこが違うのか分からないから、間違うんだよ⤵」「先生の話はちゃんと聞いているけど、途中からよく分からなくなるんだよ⤵」

勉強が「分からない」という子どもの状況とは

「どこが違うのかが分からない」とは、どういう状況を表しているのでしょうか

  • どこが違うのかを認識する能力が未熟なため、どれをやっても同じように見えてしまう。
  • 似ているのか同じなのかの判断があいまいなため、どこに注意を払えばよいのかが分からない。

その結果、自分の間違いを客観的に判断できず、すべてひっくるめて「分からない」で済ましてしまうのです。

 

自分で勉強をするとき、問題集の解答集や解説を参考にする方法があります。正しい学習のあり方だと思います。

しかし、解説内容を理解するための読解力が未熟だったり、自分の解答と解答集の解説の違いを見比べる能力が乏しいと、「問題が難しい」「解説が難しい」「結局分からない」のループに陥ってしまいます。

「先生の話はちゃんと聞いているけど、途中からよく分からなくなる」とは、どういう状況を表しているのでしょうか

先生の話とは、正しい考え方や解説、解答のことです。

授業では例題を先生が解説してくれます。次に練習問題を解いて理解を定着させていきます。一つ目の練習問題は先生のお手本のとおりにできました。二つ目の練習問題もなんとかできました。

しかし、宿題で出された問題に苦戦し始めます。先生の言っていたやり方と同じように解こうとしているのになぜかうまくいかない

親に頼ろうとするけれども、「先生の話をちゃんと聞いていないから」と怒られる。途端に宿題をするのが嫌になる。

 

お手本と同じようにやろうとしているのにうまくいかないのは、「まったく同じもの」「少しだけ同じもの」「ちょっとだけ違う」の区別があいまいなためです。

「同じ」と「違う」を見分ける精度が低いため、「理解する」までに至らず、「同じようにやろうとしているのにできない」「言われたとおりにやろうとしているのに、結局分からない」というループに陥ってしまいます。

勉強が「分からない」と言う子どもは何が足りないのか

勉強が「分からない」という子どもは、大人が見えているような正解が「見えていない」のです。大人と同じ景色が「見えていない」のです。

 

例えば、算数の問題で「〇〇してから△△をして、そして□□と考えれば、ほら簡単に答えが出たよ!まったく同じようにやってごらん!」と、勉強の苦手な子どもに指示したとしましょう。

勉強が苦手な子どもは、途中から違うやり方に流れてしまったり、「同じこと」を理解できずに立ち止まったりします。

その結果、正解にたどり着くことができず、「分からない」「できない」のループに陥ってしまいます。

教えたとおりと同じことをすればいいのに、どうしてできないのかしら?」「何も考えずに言われたとおりにすればいいのよ!」※そもそも、子どもの思考回路を止めてはいけません。

子どもも、なぜ自分が正解にたどり着けないのか分かってはいません。なぜなら、大人が見ているような道筋を、同じ景色として子どもが認識しているとは限らないからです。

 

「同じものを同じである」と認識する目は人間のもつ基礎能力の一つです。また、「違うものに気づく」「違和感を感じる」のように物事を見分ける力基礎能力の一つです。

これらの基礎能力が充実しているのかどうかで、物事の判断に差が出てきます。それが表面化すると学力の差となります。

勉強の内容を理解するためには、「同じもの」「違うもの」を見分ける目がそもそも必要なのです。

「同じ」と「違う」を見分ける力はとても大切

「弁別力」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?教育関係者や幼児教育に携わったことのある人は聞き覚えがあるかもしれませんね。

弁別力とは

弁別力とは、「見分ける力」「区別する力」「識別する力」のことです。

本来は広い意味の言葉ですが、今回は「同じと違うを弁別する目を養う」ことに着目して進めていきたいと思います。

日常生活でも「見分ける」ことはいつもやっている

私たちは日常生活の中で「同じもの」「違うもの」を識別することを毎日のようにやっています。

 

スーパーでの買い物のとき、たくさんある商品の中から自分の必要とする「いつもの商品」を見分けることができますし、「目玉商品」のようにいつもとは違う見出しに気づくこともあります。

 

漢字のテストで、「やしなう」を漢字と送りがなで書こうとするとき、「養なう」と書いてしまい、なんとも言えない違和感を感じてはいたけれども提出しました。結果は、やはり間違っていました。

 

私たちは仕事でも勉強でも日常生活でも、同じものと違うものを見分けること弁別することはいつもやっているのです。

 

弁別する力が充実している人は、ちょっとした違いや違和感に敏感な人と言えます。ひょっとしたら仕事ができる人だったり、異性にモテる人だったりしませんか?

※敏感(気づく)だけではなく、それを表現する能力は別物かもしれませんが。

 

弁別する能力が高いと、物事のちょっとした違いを見分け、小さな変化に気づくことができます。仕事や勉強に活かせば、成果を上げることもできるのです。

弁別力は教科学習を支える基礎能力

違いを見分ける力は、日常生活の中で自然と身につくもの能力です。

弁別力を養うというのは、「同じもの」や「違い」を察する精度を通常よりも高めるということです。これは、訓練によって伸ばすことができます

特に、小さな子どもは遊びの中に訓練の要素を含めることができるので、楽しく、効果的に見分ける力を伸ばすことができます

 

遊びの中で養われた経験は教科学習が始まったときに大きな武器となります。教科学習が数値化できる「目に見える学習」とすると、弁別力は目に見える学習を支える基礎能力と言えます。

基礎能力は、大木を支える根っこのような存在です。根っこは太くてりっぱな方がよいです。たっぷりと栄養を蓄えている方が、大木がすくすくと育ちます。

違いを見分ける「弁別力」で表れる学力の差

かつての教え子のことを少しお話しましょう。

ある中学生の場合1

英語の苦手なある中学生がいました。彼は英語が苦手なりにも一生懸命に努力する子でした。

学校の定期試験が近づいていたため、英単語の練習をノートいっぱいにやっていました。文字通り、ノートのページにすき間なく書き取り練習をしていたのです。

ふとノートをのぞき込むと…???

とちゅうから間違ったスペルに変換し、それに気づかずに練習をくり返し…結局正しいスペルを覚えるのに大変な時間と労力を費やすことになってしまい…

なぜ、とちゅうで気がつかないのか不思議に思うかもしれませんが、中学生にはよくある現象です。

英語が苦手なうえに一生懸命さが加わると、返って徒労な結果が待っていることも…とても残念なことです。

ある中学生の場合2

別の教え子ですが、こんなこともありました。

英語の並び替え問題です。以下の単語を並び替えて、英文を完成させなさい。

(cute , sleeping , is , that , under , very , The girl , tree)

これを正しく並び替えると

(正)The girl sleeping under that tree is very cute.

となります。

 

が、ある英語の苦手な中学生はこう書いてしまいました。

(誤)The garl sleeping under that tree is very cute.

当然、減点です。

どこが違っているのかお気づきでしょうか?

(誤)The garl sleeping under that tree is very cute.

そうです。girlのスペルがgarlになってしまっているのです。

すぐそこに正しいスペルがあるにもかかわらず、書き間違えてしまったのです。しかも、字が汚くて書いた本人が気づいていないという衝撃的な現象です。

これも結構あるあるな話です。

以前に勤めていた塾の英語主任の先生は「英語の苦手な生徒は、書き写し問題ですら書き間違える。これが実力の差だと言っていました。

スペルの書き写し間違いをする中学生は何度も同じ間違いをくり返すループに陥ります。そして、「自分は英語が苦手だから」と落ち込んで英語嫌いになってしまうのです。

 

正しいものを正しく認識し、「同じもの」「違うもの」を見分けることは、教科学習の基礎能力です。

英語の理解が乏しいのではなく、物事を正しく認識する能力が未熟なのです。

 

どこが同じで、どこが違っていて、どの違いに注意して物事を判断すればよいのか。

物事を見分ける力は勉強だけではなく、日常生活や仕事にも大いに影響する基礎能力です。物事をただばくぜんと捉えるのではなく、ポイントをしぼって意識的に注意して見分ける必要がある場面は、大人の世界には数多くあります。

弁別力はいつから?どうやって養うことができる?

弁別力が学習効果に影響する大切な基礎能力であることはご理解いただけたと思います。

その大切な基礎能力はいつから、どうやって養うことができるのでしょうか。できれば楽しく、できれば効果的に弁別力を向上させたいですよね。

弁別力を養うのはいつからできる?

物事を見分ける能力は生まれつきのものではありません。

生まれたばかりの赤ちゃんが、成長の過程で目にするもの、触れるもの、感じるものの中から「見分ける」という経験を積み重ねていくと考えられています。

特に、人間の赤ちゃんは「視覚的情報」から見分ける経験を重ねていると言われています。

本来の弁別力は日常生活の中で自然と身につく能力なのです。

 

では、物事を見分ける基礎能力をもっと高めるためには、いつから、どのようなことをすればよいのでしょうか

 

弁別力を伸ばすチャンスは幼児期です。「同じ」と「違う」を見分ける能力は、幼児の時期に養うことをおすすめします

できれば、小学校での教科学習が始まる前に物事を意識的に見分ける力を訓練で養うことをおすすめします

なぜなら、幼児のうちに養われた弁別力は小学校の学習に直接活かすことができるからです。

また、弁別力は遊びの中で養うことができるため、幼児の時の遊びにたくさん取り入れてあげることで、楽しく効果的に養うことができます

弁別力を養う方法は?

弁別とは違いを見分ける力なので、違いを楽しむ遊びをすればよいのです。

子どもが大好きな遊びに、「まちがい探し絵本」があります。非常に効果的です。

難易度も幼児用から小学生用まで幅広く設定されているので、レベルに合わせて絵本を選んであげることができます。

どんな違いに注意すべきなのかを効果的に考えることもできます。

  • 大きさの違い
  • 色の違い
  • 形の違い
  • 向きの違い
  • 有無の違い など

ウォーリーをさがせ!のように、同じ人物や物をたくさんのイラストの中から探す遊びも、子どもは大好きです。

 

まちがい探しや同じもの探しの遊びは、集中力と注意力、記憶をきたえます。物事のちがいを識別するためには、それなりの集中力と注意力、記憶力が必要だからです。

 

まちがい探しの絵本を見ている子どもは、「どこがちがうのかなーあそこかなーここかなーえーっとえーっと…」と思考を集中させているに違いありません。

また、左のページを見てから、右のページを見て、また左のページを見たり…「あそこは〇〇だから、こっちでは〇〇、でもあっちは△△だから…」というふうに、見るべき点に注意しながら、記憶力をフル回転させているに違いありません。

 

さらに、正解を見つけたときの「達成感」は「楽しい!」という経験となり、またやってみたい!という「さらなる意欲」につながります。

「できた!わかった!!」が自信につながり、さらに誉めてもらえたならば、その子の自己肯定感を養うことにもなります。

 

間違い探しの遊びは、誰かに教えてもらうものではなく、自分で気づく遊びです。だから、見つけた本人の力と経験に直結します。

どこがどう違うのかを言葉で説明できるようになれば、語彙力と表現力を向上させることにもつながります

弁別力は小学校の学習で活かせる

小学校低学年の学習の最大のテーマは、文字学習の始まりです。

ひらがな、カタカナの学習から漢字の学習まで、短期間のうちに必要な文字学習が凝縮しているのが小学校低学年です。

例えば、ひらがな学習

日本語のひらがなは、本当に難しく複雑な形をしています。「ハライ」のバリエーションがたくさんあったり、

  • 上にハラウ 「も」
  • 下にハラウ 「す」
  • 左にハラウ 「ち」

トメ・ハ・ハライを同時に進行したりします。

  • 「け」
  • 「や」

漢字のトメ・ハネ・ハライもバリエーション豊かです。

  • 上にハネ、左にハライ、右にハライ 「水」
  • ハラって、トメて、曲がって、ハネて、トメル 「毎」

 

文字学習はお手本を正しく認識することが前提ですが、「正しく認識する」とはどういうことなのかを学校で教えてくれることはありません

スタート時点はどの子も同じはずなのに、徐々に学力の差が出てきてしまうのは「違いを見分けること」を意識的に行う訓練をし、習慣化しているかどうかの違いにあります。

意識的に見分けることを習慣化している子は、右にハラウと左にハラウは「全然違うもの」であると理解して学習に取り組みます。

また、本来ハネるべきところをトメてしまうと、途端に違和感を感じ、正しくハネるように注意して学習するようになるでしょう。

これはただのひらがな学習の話でしょうか?ただの漢字の覚え間違いの話でしょうか?

いいえ、ちがいます。

弁別力を養い、基礎能力を高めるということは、物事に対して注意深く観察したり、違いに気づいたり、お手本を理解して再現しようとする習慣を身につけることなのです。

 

意識的に違いを見分けることを習慣化していない人は、違いについて注意深く観察することをしません。

その結果、ただばくぜんと、何となく、だいだい合ってればよいだろうとの判断をくり返し、「治」と「冶」の違いや、「末」と「未」の違いも見逃してしまいます。

「成功」を「成攻」と書き間違えたり、「午前」を「牛前」と書き間違える小学生は意外に多いです。

家計簿の「簿」と薄いの「薄」は違う漢字ですし、「焼」と「暁」もちがいます。

これはただの漢字の覚え間違いの話でしょうか?

いいえ、ちがいます。

弁別力を養うとよい、本当の理由

弁別力は教科学習を支える基礎能力です。基礎能力を高めることは学校の勉強や仕事に大いに役立ちます。

  • 違和感に気づきやすくなる=ミスに気づく
  • お手本を上手に再現できるようになる=基本内容の理解を深めることにつながる
  • 弁別力を養う過程で、集中力、観察力、記憶力をきたえられる=学習効果に影響するので、学力を上げることにつながる

 

たしかに、弁別力は日常生活の中でも自然に身につきます。

しかし、勉強の取り組み方が基礎能力の表れであるならば、弁別力の差は学力の差に影響すると言えます。

教科学習や仕事が大木の上部であるならば、弁別力は根っこの部分です。根っこに蓄えた栄養が豊富であればあるほど、大木はりっぱに育ちます。

 

基礎能力は数値化できるものではありません。いつまでに、どの程度まで養うのかを争うものでもありません。

ただ、幼児のうちに弁別力を養っておくと、お手本を真似するのが上手になります。違う部分に注意を払い、間違いに気をつけられるようになります。

小学校や中学校での教科学習が本格的になる前に、できるだけ伸ばしておきたい基礎能力「弁別力」です。

幼児期の遊びの中で、楽しく養うことができたならば幸いでしょう。今後の学習のためにも、大切な幼児期を有意義に過ごさせてあげたいものですね。

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ペギー(ヨメ)
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ペギー(ヨメ)です。
10年以上、塾の講師として働いていました。幼児から中学生までの子どもたちと接してきた時間は私の貴重な宝物です。こどもたちの可能性は無限大!!
3男児の母となった今、育児に奔走する自分をブログにつづりつつ、これまでの先生としての経験が誰かのお役に立てればいいなと思いブログの更新をがんばっていきます。

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