教育

絵本『ぼくは いぬ』 動物たちがこちらを見つめてくるまなざしが、何ともやさしい絵本です。

ぼくはいぬ

「絵本の世界をちょっと覗かせてもらう」というのが、一般的な絵本の構成ではないでしょうか。

絵本の中の登場人物たちは、各々自由に絵本の中で動き回っています。絵本の読者(子ども)は、その様子を斜め上から、または後ろから覗かせてもらいながらストーリーを楽しむのです。

「絵本の登場人物たちと目が合う絵本」があったら、子どもたちはどんな気持ちになるのでしょうか。

 

こんにちは、夫婦ブロガーのペギー@3男児の母です。

 

今回ご紹介する絵本は、『ぼくは いぬ』 杜今日子 作 (福音館書店)です。

 

この作品の元となるラフスケッチを最初に見たとき、編集担当は生き物たちの目に釘付けになりました。しっかりとこちらを向いたまなざしが、赤ちゃんを引きつけるに違いない、そう確信しました。(引用:編集部より)

 

ひっぱれば
絵本『ひっぱれば』 子どものひっぱる力はすごい!幸せも感動もひっぱっている!何が出てくるかな?何が出てくるかな??わくわくわくわく… 絵本をめくる前のわくわくする気持ちと、めくった後の「でたー!」の...
絵本くるくる
絵本『くるくる』は、上下さかさまお構いなし!子どもがくるくる回して楽しむ絵本です!こんにちは、夫婦ブロガーのペギー@3男児の母です。 保育園から帰ってくるなり、次男が私の顔の前に突き出した...
くろちゃん
絵本作者からのメッセージ 『こいぬのくろちゃん』の哀れな可愛らしさを楽しんでほしいこんにちは、夫婦ブロガーのペギー@3男児の母です。 今回は、大切な気持ちを教えてくれる絵本をご紹介します。 『こいぬ...

 

絵本が子どもに語りかけてくる

あっ、目が合っちゃった!

こんな経験は日常でもよくあります。道端で小さな子どもと目が合ったり、すれ違う大人と目が合ってしまったり…

一瞬の出来事に、ニコッとしてみたり、すぐに目線を外してみたり。

大人同士で目が合ってしまうと、お互いに気まずいのか、目線を外すことが多いですが、子どもや赤ちゃんの反応は少し違います。

子どもや赤ちゃんは、目が合った後もじーっとこちらを見つめてきます。

こちらがニコッとしてみても、無反応なこともありますが、目線を外すという考え自体がそもそもない様子です。

こちらをじーっと見つめながら、心の中でこう問いかけているのかもしれません。

「きみ だあれ?」

 

絵本『ぼくは いぬ』をめくって最初に登場する「いぬ」も、こちらをじーっと見つめています。

本をめくってすぐに飛び込んでくる無邪気な視線に、大人は一瞬とまどいますが、子どもはすぐに馴染みます。

次男坊(2歳)
次男坊(2歳)
いぬーいぬー

初めて会った犬なのに、次男ちゃんは一瞬で友だちになってしまったようです。

 

じーっと見つめてくる犬の何とも可愛らしいこと。

ふさふさの毛並みはまるで本物のようです。しばらく眺めていると、犬の輪郭が立体的に見えてきました。今にも絵本から飛び出してきそうです。

思わず手を伸ばそうとしたとき、ふいっとすぐにどこかへ行ってしまうのも、動物の愛嬌なのでしょうか。

 

あーあ、いっちゃったー(残念)というがっかり感。動物はいつだって自由気ままです。

 

次の瞬間、今度はヒヨドリが私の気配に気づき、動きをとめてこちらをじろり…。(中略)ああっ、逃げちゃう。とっさに私はひるみましたが、(中略)まるで「どこのどなたか知りませんが、私は忙しいのでかまわないでください」と言わんばかりの堂々とした身ぶりでした。(中略)私は野鳥本来の自然な姿を目の前にするというぐうぜんに驚き、ヒヨドリの美しさにみとれるばかりでした。(引用:作者のことば)

作者がぐうぜんに出会った野鳥のヒヨドリ。そんなヒヨドリとばっちり目が合ってしまって、どぎまぎしているのは人間の方です。

動物たちはいつでも冷静で、自由な存在です。

 

絵本『ぼくは いぬ』に触れていると、動物の世界の一部に人間がお邪魔させてもらっているような、妙な感覚になってきます。

 

「きみ だあれ?」の問いかけでつながる世界

絵本『ぼくは いぬ』は、作者が野鳥のヒヨドリに出会ったことがきっかけで生まれました。

犬と猫、リスと熊にも、こんなふうに「出合ってしまう」瞬間があるかもしれません。街の中、山の中、いたるところで生き物たちが「きみ だあれ?」をしていたら、この世界がどんどんつながっていくようでわくわくします。(引用:作者のことば)

本来ならお互いに接触しないような動物同士が、絵本という世界の中で「きみ だあれ?」とつながり合っていきます。

 

子どもたちの世界でも、こんな風に友だちの輪を広げていくのでしょうか?

 

「きみ だあれ?」をくり返しながら、つながっていく友だちの輪。

人間の友だちは、野山の生き物たちと違い、明日同じ場所に行けばもう一度出会える可能性があります。出会う回数が増えれば、「きみ だあれ?」をしなくても、名前で呼び合いながら楽しく遊ぶことができます。

新しいお友だちが遊びに来たら、また「きみ だあれ?」をして友だちの輪を広げればよいのです。

 

きっと、こちらをじーっと見つめて「わたし ○○!」のように返してくれることでしょう。

 

絵本を読み終わった後も、楽しめる仕掛け

動物が大好きな次男ちゃん。絵本『ぼくは いぬ』に登場する動物たちを一つ一つ指さしながら、はしゃいでいます。

知っている動物も増えてきたようで、「きみ だあれ?」と私が読むが早いか、次男がすかさず「ねこ!」「りしゅ!」「きちゅね!」「…しらない…」と叫びだします。

「くま」は可愛いイラストのイメージが強いらしく、すぐには気がつかなかったようです。

くまが食べている木の実をつまみながら

次男坊(2歳)
次男坊(2歳)
ブドウ!ブドウ!あむあむ!

と、くまのブドウを横取りして食べてしまいました(笑)

 

次男坊(2歳)
次男坊(2歳)
もいっかい!もいっかい!

次男のもう一回攻撃が始まりました。

くり返し読んでいると、「きみ だあれ?」を子どもにも言いたくなってくるのが大人です。

 

ペギー
ペギー
きみ、だあれ?
次男坊(2歳)
次男坊(2歳)
次男!
ペギー
ペギー
可愛いねー!ぎゅーっ!
次男坊(2歳)
次男坊(2歳)
きゃっ!きゃっ!きゃっ!

 

近くで遊んでいた長男くんも、こちらが気になり始めました。

ペギー
ペギー
きみ、だあれ?
長男(4歳)
長男(4歳)
長男!
ペギー
ペギー
ぎゅーっとしてやるー(笑)

 

ペギー
ペギー
きみ、だあれ?
三男坊(0歳)
三男坊(0歳)
あうあう、きゃあ!きゃあ!!
ペギー
ペギー
好きーっ!ぎゅーっ!!

 

子どもたちは、「きみ だあれ?」をされたがっていたようです。

絵本の中の動物たちのように、こちらをじーっと見つめながら「〇〇ー!」と自分の名前を叫びます。そして、こちらに突進して、ハグを要求してきます。

絵本の動物たちとの違いがここにあるかもしれませんね(笑)

 

絵本『ぼくは いぬ』は、ただの読み物ではなく、目の前の子どもたちにも語りかけられる仕掛けを含んでいます。

ぜひ、「きみ だあれ?」と子どもに問いかけてみてください。そして、思いっきり抱きしめて「好き!好きー!」をしてあげてくださいね。

ABOUT ME
ペギー(ヨメ)
ペギー(ヨメ)
ペギー(ヨメ)です。
10年以上、塾の講師として働いていました。幼児から中学生までの子どもたちと接してきた時間は私の貴重な宝物です。こどもたちの可能性は無限大!!
3男児の母となった今、育児に奔走する自分をブログにつづりつつ、これまでの先生としての経験が誰かのお役に立てればいいなと思いブログの更新をがんばっていきます。

ペギーのプロフィールペギーが書いた過去の記事一覧

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です